M字はげの基準と兆候、生え際の後退はAGAが原因か?などを説明し、M字はげ・生え際の後退の治療で使用される治療薬(フィナステリドやデュタステリド)、注射(注入治療)、自毛植毛などの効果や副作用、治療にかかる費用を解説しています。
また、M字はげの治療が行える病院・クリニックおすすめ5院をご紹介し、M字はげ治療にかかる治療費用の保険適用の有無、生え際後退の進行を防ぐ対策やM字はげにおすすめの髪型などについてもまとめているので、M字はげの改善や治療を検討している方、生え際後退の進行を抑えたいと考えている方は参考にしてください。
M字はげの基準はどこから?生え際の後退など症状や前兆は?
M字はげの基準や前兆を知っておくことで、自分が本当にM字はげなのかある程度知ることができます。
どのような状態がM字はげといえるのか、基準と前兆について解説するので、以下を参考にしてみてください。
20代や高校生も注意!M字はげの基準と前兆
M字はげを判断するための医学的な定義はありませんが、M字はげが進行しているのかを確認するための基準として、髪が薄くなる進行過程をまとめたハミルトン・ノーウッド分類を参考にしてみてください。
ハミルトン・ノーウッド分類から生え際が後退しているかを確認する方法としては、両耳の穴から頭頂部を結んだ線と、M字の生え際部分から頭頂部を結んだ線の2つの線の幅が2cm以下の場合にM字はげの可能性が高いとされています。
また、M字はげの前兆として次のような症状が挙げられます。
M字はげか気になる場合は、抜け毛の増加や他の部分と比べた場合の毛量の減少具合を判断基準の1つにするのもおすすめです。
生え際の産毛が薄くなっている、あきらかに後退しているのが自分でも分かるという人は、M字はげが進行している可能性が高いと言えます。
M字はげや生え際後退といった症状は20代後半から起きやすいですが、人によっては10代や20代前半でも症状がみられる場合があるので注意が必要です。
M字はげや生え際の後退は20~50代まで幅広い年代の男性が発症するリスクがあります。年代に関係なく、気になる症状があれば一度クリニックを受診するのがおすすめです。
M字はげと円形脱毛症や拡散性脱毛症などの脱毛症との違い
脱毛症にはM字はげのほかに、円形脱毛症や拡散性脱毛症などがあります。それぞれの違いは、次のとおりです。
M字はげ | 円形脱毛症 | 拡散性脱毛症 | |
---|---|---|---|
原因 | ・男性ホルモンの乱れや遺伝などが原因のAGA ・牽引性脱毛症 ・生活習慣の乱れやストレス |
・ストレス ・免疫異常 |
・ホルモンバランスの乱れ ・鉄分不足 |
発症しやすい性別 | 男性 | 性別を問わない | 女性 |
症状 | ・M字型に髪が薄くなる ・生え際が後退する |
・一部分だけ突然毛が抜け落ちる ・円形状に髪が薄くなる |
頭部全体が薄くなる |
M字はげはほかの脱毛症とは違い、男性が発症しやすく、生え際の脱毛が特徴的です。ほかの脱毛症は円形に抜けたり髪全体が薄くなったりすることが多いため、M字型や生え際のみ紙が薄くなっている場合はM字はげの可能性が高くなります。
生え際後退は勘違いの可能性も!M字はげと生まれつきのおでこの違い
生まれつきで生え際がM字型の男性も多くいるため、自分はM字はげでは?と思う方もいますが、進行している様子がなければM字はげではありません。
具体的なM字はげのチェック方法を紹介するので、生まれつきおでこが広いのかM字はげなのか知りたい方は要チェックです。
生え際後退は勘違いの場合もある!生まれつきの生え際かの見分け方
おでこが広い、そりこみを入れたような形の額をしていると、生え際が後退しているのでは?と焦る男性も多いはずです。
しかし、人によっては生まれつきおでこが広く、M字はげや生え際後退が起きていない場合もあります。生え際の種類や形に加え、生え際が後退しているかを見極めるポイントを紹介するので、チェックしてみてください。
- 生え際の中心部分がやや出っ張り、「富士山」のような形をしている。
- 家族も同じような生え際の形をしている。
- 正面から見た時に生え際がアルファベットの「M」の文字の形をしている。
- そりこみを入れたように見える。
富士額やM字型といわれる生え際は、生え際の後退か正常な生え際なのか迷う額の形です。
「富士額」の場合は生え際の中心部分に髪が生えているため、一見M字型のように見えますが、おでこのサイド部分がそりこみを入れたような形でない場合は生まれつきのおでこの形と考えて問題ありません。
「M字型」と言われる形のように、おでこのサイド部分がそりこみを入れたような形の場合は、生え際後退が起こっている可能性があります。
また、M字型ではなくておでこが広い場合も生え際が後退している可能性があります。
生え際の産毛が薄くなっている、あきらかに後退しているのが自分でも分かるなど、M字はげの兆候がある人は、対策を始めることを検討してください。
M字型やおでこが広くても、太くてコシのある髪が生えている場合は生まれつきの額の形なので心配する必要はありません。
生え際の種類や形、毛髪の見分け方などが分かったところで、自分が生え際後退の条件に当てはまっていると感じた方は、次の項目にある「M字はげや生え際後退のチェック方法」で実際に確かめてみてください。
M字はげや生え際後退のチェック方法
生え際が後退しているサインを見分けるために目視によるチェック方法をご紹介するので、鏡の前でチェックしてみましょう。
- 生え際が見えるように前髪を上げる。
- 眉毛上から小指・薬指・中指の3本の指を額に置く。
- 中指の上に更に間隔があれば生え際が後退している可能性のサイン!
- もみあげを基準に縦の直線を思い描く
- 生え際がもみあげのラインを越えていたら生え際が後退している可能性のサイン!
以上が、自分の生え際が後退しているかどうかを見分けるポイントになります。
それでも生え際の後退が上手く見分けられないという方は、頭皮・頭髪を専門に診療しているクリニックで相談・カウンセリングを受けてみるのがおすすめです。
自分がM字はげかどうかを相談したい、治療を始めたいという方におすすめのクリニックは下記の記事で詳しく紹介しています。
M字はげや生え際後退の原因はAGA?
M字はげとは左右の生え際を剃り込みをしたように後退した状態を指し、正面から見たときにおでこと生え際が「M」の形に見えるため、M字はげと呼ばれることが多いです。
まずは生え際の後退・M字はげが起こる原因をチェックしましょう。
M字はげや生え際後退の原因の多くはAGA
M字はげの原因にはいくつかありますが、もっとも多い原因がAGA(男性型脱毛症)です。
生活習慣や頭皮環境の乱れによる生え際の抜け毛・薄毛に関してはこれらを見直すことで改善できるケースもありますが、AGA(男性型脱毛症)が原因のM字はげに関しては治療が必要になります。
AGA(男性型脱毛症)は男性ホルモンの作用や遺伝によって抜け毛や薄毛が進行し、放置していると生え際の後退が進んでしまう疾患です。
AGA(男性型脱毛症)は進行性のため、M字からU字へ薄毛が進行する可能性があり、早めの対処として治療を受けることが必要になります。
ただし初期の段階ではAGAかを自分で正確に判断するのは難しいのが現状です。
AGA治療を行っている病院やクリニックでは、現在の状況と経過を踏まえて診断を行ってくれるので、M字はげの原因が自分では分からないという方は、まずはクリニックで相談から始めてみるようにしましょう。
あきらかに以前よりも生え際が薄くなっている、M字が進行しているなどの自覚がある方はAGA治療を行う病院やクリニックでの治療を視野に入れることが大切です。
AGAの見分け方やセルフチェックの方法については下記の記事でも詳しく解説しています。
M字はげは牽引性脱毛症や生活習慣の乱れが原因の場合も
M字はげの原因の多くはAGAですが、人によっては牽引性脱毛症や生活習慣の乱れによってM字はげや生え際後退といった症状が出ることがあります。
牽引性脱毛症は頭皮の傷や血行不良によって抜け毛が増える脱毛症です。牽引性脱毛症は髪をきつく結んだり長時間帽子を被ったりすることで発症することがあり、紫外線やカラー・パーマによる頭皮のダメージ、間違ったヘアケアによる頭皮環境の乱れにも注意が必要です。
牽引性脱毛症はAGAのように遺伝や男性ホルモンは関係ないので、このような習慣をなくすことで改善することができます。
また、睡眠不足や偏った食事などの生活習慣の乱れ、ストレスによってM字はげや生え際の後退が起きるリスクがあります。AGAが原因のM字はげでも生活習慣の改善で進行を防げる可能性もあるので、少しでもM字はげの進行を遅らせたい方は以下のポイントを意識して生活するのがおすすめです。
- 毛髪の成長に欠かせないビタミンB群や亜鉛などの栄養素を中心に栄養バランスの整った食生活を送る
- 睡眠時間を最低でも1日5時間~7時間程度は確保する
- ストレスを解消・発散する
ただし、これらの方法を行っても目に見える変化が起きる可能性は少なく、AGAによるM字はげは改善できないことが多いです。
M字はげや生え際の後退が気になる方は、まずはクリニックで原因を特定し、適切な治療を受けるようにしましょう。
生え際後退やM字はげになってしまった場合の治し方
M字はげの治療が行えるクリニックをご紹介しましたが、M字はげの治療を行う場合、クリニックによって行える治療法が異なります。
ここではM字はげ治療を行う際の4つの治療法について解説します。
内服薬 | 外用薬 | 注入治療 | 自毛植毛 | |
---|---|---|---|---|
治療方法 | ・AGAの原因になる酵素の働きを抑える ・発毛や髪の成長を促進する |
発毛や髪の成長を促進する | 髪の成長に必要な成分を頭皮に注入して脱毛の抑制と発毛効果を促す | AGAの影響を受けにくい後頭部や側頭部の毛髪を移植する |
主な種類 | ・フィナステリド ・デュタステリド ・ミノキシジル |
ミノキシジル | ・メソセラピー ・HARG療法 ・グロースファクター再生 |
・FUE法(ダイレクト法) ・FUT法(ストリップ法) ・ニードル法 |
治療期間 | 3ヶ月~ | 3ヶ月~ | 半年~1年(施術回数1~4回) | 半年~1年 |
費用相場 | 約3,000円~12,000円/月 | 約5,000円~12,000円程度/月 | 約30,000円~数十万円程度/回 | 数十万円~数百万円/回 |
内服薬や外用薬を使用した治療は、AGA治療を行うクリニックで取り扱われていることが多いスタンダードな治療です。
注入治療や自毛植毛は外科的な施術が必要になる治療のため、専門医がいる限られたクリニックや病院で行っています。
それぞれの治療には、主に使用される治療薬や薬剤、施術方法が異なるので、自分にはどのような治療が合っているか、治療の効果と副作用を含めて確認してみてください。
参考:男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版
M字はげの原因が牽引性脱毛症だった場合は、原因となる習慣をなくすことで完治できる可能性があります。
AGAが原因のM字はげの場合は完治させることは難しいですが、進行を遅らせたり改善させたりすることは可能です。AGAは進行性の脱毛症で、一度発症すると完全に治すことは難しいです。
しかし、正しい治療方法を行えば、AGAによるM字はげを改善させることができます。ただし、セルフケアだけではAGAによるM字はげを治療することは難しいので、正しい治療を行うためにもクリニックを受診するようにしましょう。
初めてのM字はげ治療なら内服薬や外用薬による治療がおすすめ
M字はげの治療に使用される内服薬には主に「フィナステリド」や「デュタステリド」という成分が配合された治療薬が処方されることが多く、どちらも抜け毛抑制効果が期待できます。
また、発毛効果が期待できるミノキシジルは内服薬と外用薬の2種類があります。
フィナステリド | デュタステリド | ミノキシジル | |
---|---|---|---|
効果 | 抜け毛抑制 | 抜け毛抑制 | ・抜け毛抑制 ・発毛効果 |
特にアプローチできる部位 | ・頭頂部 ・後頭部 |
・頭頂部 ・後頭部 ・前頭部 |
頭髪全体 |
種類 | 内服薬 | 内服薬 | ・内服薬 ・外用薬 |
フィナステリドとデュタステリドは発毛効果はなく、抜け毛抑制効果が期待できるAGA治療薬です。中でもデュタステリドは前頭部の抜け毛抑制効果が期待できるので、M字はげが気になる方におすすめです。
ミノキシジルは内服薬と外用薬の2種類があり、どちらも発毛効果が期待できます。外用薬であれば、M字はげが気になる部分のみに塗布することもできるのがメリットです。
医師の診断によってはM字はげだけでなく頭全体のAGA治療を目的として行うこともあるため、AGA治療薬による詳しい治療方法はクリニックで医師と相談するようにしましょう。
M字はげの治療では注入治療と自毛植毛を行う場合もある
M字はげの治療には上記で紹介した投薬治療のほかに、注射などを使用した注入治療と、自分の毛髪をM字部分に移植する自毛植毛があります。
内服薬とは異なり、どちらもM字はげが気になる部分のみにアプローチすることができるため、部分的な治療を行いたい方におすすめです。
注入治療 | 自毛植毛 | |
---|---|---|
治療方法 | ミノキシジルをはじめビタミン類や成長因子などを配合し、頭皮に直接注入することで脱毛の抑制と発毛効果を促す効果が期待できる | 薄毛が進行し毛根がなくなってしまった部分に、AGAの影響を受けにくい後頭部や側頭部の毛髪を毛包ごと移植する施術法 |
主な種類 | ・メソセラピー ・HARG療法 ・グロースファクター再生 |
・FUE法(ダイレクト法) ・FUT法(ストリップ法) ・ニードル法 |
ダウンタイムや副作用 | 施術部分の痛み、赤み、腫れ | 毛髪を採取した部分の痛み、赤み、ショックロス |
注入治療は、M字はげが進行している部分に注射器や特殊な医療機器を用いて皮下に直接薬剤を注入する施術方法です。
自毛植毛はM字はげが進行して毛根自体がなくなり毛髪が生えてこなくなった場合におすすめの治療方法です。ほかの施術に比べてダウンタイムがあり、頭皮が傷つく可能性があります。
また、注入治療や自毛植毛は投薬治療に比べて対応しているクリニックが少なく、費用も高くなりやすいので事前に料金などを調べておくことが大切です。
M字はげの部分のみの施術であれば費用が安くなることもあるので、カウンセリングなどで見積もりを出してもらうのがおすすめです。
M字はげにおすすめの髪型とバレない隠し方
根本的な解決にはなりませんが、M字はげが気になる方や隠したい方は、髪型を変えることでM字はげを目立たなくすることができます。
- センターパート
- ツーブロック
- ベリーショート
- 坊主
- ソフトモヒカン
- アップバングショート
- ショートマッシュ
短髪に抵抗がある人は、長めのツーブロックやセンターパートで前髪を左右に流すことで生え際の薄さをカバーできます。
M字はげが軽度の人は、前髪を重めにして額から生え際全体を隠すマッシュヘアもよいでしょう。
ファッションの一部としてうまく取り入れれば、無理に隠している感じを出さずにM字はげを生かしたおしゃれヘアが楽しめるので、ぜひ挑戦してみてください。
センターパートは長めに伸ばした前髪を額中央で分ける髪型です。
ある程度長さがあるのでアレンジしやすいうえにサイドの生え際がカバーされるので、M字型に生え際が後退している方は検討してみるのがおすすめです。
ツーブロックはトップの髪は残しておき、サイドと後ろの髪を短く刈り上げる髪型です。
もみあげ付近の髪が短くなることで、前髪や生え際の薄毛部分が目立ちにくくなるので、M字型に生え際が後退している方におすすめのヘアスタイルです。
坊主やベリーショートは、短髪で逆にM字はげを目立たせてしまうのではないかと心配する人もいると思いますが、あえて隠さず思い切って短く切りワックスなどでヘアアレンジをすることでM字はげを目立たなくすることができます。
ソフトモヒカンは頭頂部に毛を残し、サイドや後頭部は短くカットする髪型です。
頭頂部から額に向かって髪の毛の流れを作ることで、M字はげを隠すことが可能です。
アップバングショートは前髪を上げたスタイルで、M字はげが気になる部分の髪は残した状態にします。
額部分の髪を上げてM字部分の髪を下ろすことで、M字はげが目立たなくなります。
ショートマッシュは前方向に髪を流し、耳上部分から前髪にかけて厚みを出す髪型です。
おでこの広さや前髪の薄さに注目が行きにくくなるので、M字型に生え際が後退している方やおでこが広い方も似合うヘアスタイルです。
上記のような髪型にすることでオシャレに生え際の後退を隠すことができますが、髪をセットする際に、ハードタイプのワックスやスプレーなどテクスチャーが重めなスタイリング剤を使用してしまうと、毛髪が整髪料の重みに耐えきれずに潰れてしまい、かえって生え際の後退を際立たせてしまう場合があります。
セットする時は自分の髪質に合った整髪料を使用するようにし、使用量にも注意しましょう。
髪型を変えることでM字はげを隠せることもありますが、AGAが原因のM字はげの場合は進行するため、段々ヘアスタイルを変えても隠すのが難しくなっていく可能性があります。
M字はげを気にせず好きな髪型を楽しみたい方は一度クリニックを受診し、原因に合わせた適切な治療を受けることが大切です。
M字はげや生え際の後退には様々な原因が考えられますが、そのなかでもAGA(男性型脱毛症)が原因のM字はげの場合には、放置してしまうと生え際の後退が進行してしまう恐れもあるため、クリニックでの治療が必要になります。
M字はげかどうかや、生え際後退の原因がAGAかを自分だけで判断するのは難しいので、生え際が気になるならまずはクリニックの無料カウンセリングで相談してみるのがおすすめです。現在では、対面診療のみならず、オンライン診療でも受診できるAGAクリニックが多くあるので、通院するハードルが高いという人は、まずはオンラインでカウンセリングを受けてみるのもよいでしょう。