1.NKM plus免疫細胞療法
「NKM plus免疫細胞療法」は、「NKM免疫細胞療法」の発展形であり、より抗がん効果に着眼した治療法になります。
「NKM免疫療法」について、詳しく知りたい方は下記リンクよりご確認ください。
「NKM免疫療法」ページはこちらから
2.免疫チェックポイント分子とがんの免疫回避
私たちの身体では日々、数多のがん細胞が発生していますが、免疫システムによって除去されるため、がん化せずに済んでいます。しかし日々がん細胞と戦い続けた免疫細胞は、段々と疲れてきます。免疫細胞の疲労が溜まってくると、「免疫チェックポイント分子」と呼ばれる“手”の様なものが細胞表面に出てきます。がん細胞はこの“手”を利用して生き延びる手段を持っています。がん細胞には免疫細胞の“手”とつなぐための“がんの手”を持っており、手を繋いでしまうと、免疫システムの排除機能にブレーキがかかってしまい、攻撃ができなくなってしまいます。このようにして、がん細胞は免疫システムから生き延びているのです。
近年、この現象にも光が射しました。2018年に京都大学の本庶佑先生が受賞したノベール生理学・医学賞こそまさに、このがんの免疫回避機構の解決を導く一筋の希望でした。本庶先生は免疫細胞の”手”である「PD-1」に対する、ある薬の開発に成功しました。
その薬は「免疫チェックポイント分子阻害剤」と呼ばれ、免疫細胞の“手”を見つけると、真っ先に手を繋ぎます。すると、既に手を繋いでしまった免疫細胞は、“がんの手”と手を結ぶことがなくなるため、がんが持っていたブレーキ機能が働かなくなり、がんを攻撃することができるようになります。この発見によって、がんに対する免疫療法に新たな光が射し、更なる発展が可能になりました。
3.NKM plus免疫細胞療法
「NKM plus免疫細胞療法」は、NKM免疫細胞療法に免疫チェックポイント分子阻害剤を加えた、より抗がん効果を高めた治療法です。
NKM免疫細胞療法と同様に増やし、活性化した種々の免疫細胞に対して、薬(免疫チェックポイント分子阻害剤)を加え、“がんの手”によるブレーキ機能を受けなくすることで、より抗がん効果の高い免疫細胞を体内に戻すことを可能にしました。薬(免疫チェックポイント分子阻害剤)を直接体内に入れることには、副作用のリスクが伴います。しかしながらNKM plus免疫療法では、培養中の免疫細胞に薬を加え、免疫細胞と手を繋ぎ、残った過剰の薬は洗い流します。そのため、必要最低限量の投薬量で済むため、副作用のリスクを最小限に抑えることが可能です。
4.期待される効果 / 副作用
NKM免疫細胞療法
-
- 期待される効果
- 三大療法での治療を逃れた、新たな転移を起こすがん細胞に対する抗がん効果や、三大療法では維持不可能な病態について延命効果が期待できます。また虚弱体質の改善や基礎免疫力の向上、ウイルス疾患の根治などの効果も期待されます。
-
- 考えられる副作用/合併症について
- 患者様本人の血液から分離した細胞を用いるため、拒絶反応などの副作用のリスクは低いと思われます。多少の軽度発熱が生じる場合があります。
5.治療の流れ
治療の流れ
NKM plus免疫細胞療法は患者様の症状により異なりますが、基本的には下の図の様な流れで行います。採血した血液から免疫細胞を取り出し、約2週間の期間を経て培養した細胞を患者様に投与します。この免疫細胞の投与を約1~2週間の間隔を空け、数回の投与を続けます。標準的な治療では1クールは約2~3か月で、この期間に5~6回の投与を行います。