HARG(ハーグ)療法の効果とは？持続期間・料金相場とメソセラピーとの違い

近年注目されている薄毛治療の一つに「HARG療法」があります。 HARG療法は、ヒト脂肪幹細胞由来の成長因子を含む特殊な薬剤（HARGカクテル）を頭皮に直接注入することで、毛根を活性化させ、発毛を促す治療法です。

この記事では、HARG療法の特徴、効果、費用、注意点などを詳しく解説していきます。 HARG療法が気になる方は、ぜひ参考にしてみてください。

HARG療法とは？メカニズムや成分などの特徴を解説

薄毛治療には、様々な治療法があります。育毛シャンプーや育毛剤、内服薬、植毛などのクリニックで行う治療だけでも実に多くの種類があります。その中でも、HARG療法は近年注目されている治療法の一つです。

今回は、HARG療法がどのような治療法なのか、特徴や仕組みについて詳しく解説していきます。

HARG療法とは何か

HARG療法とは、Hair Re-generative Therapyの略で「ハーグ療法」と読みます。これは、弱ってしまった毛根に栄養を与え、髪の毛の成長を促す治療法です。

髪の毛の健康な状態を保つためには、栄養が必要です。HARG療法では、HARGカクテルと呼ばれる特別な栄養剤を注射で頭皮に注入することで、毛根に直接栄養を届けます。

HARG療法のメカニズム

HARG療法の最大の特徴は、「成長因子」という成分を頭皮に注入することです。成長因子とは、細胞の成長や増殖を促すタンパク質の一種です。私たちの身体の中には、もともと成長因子が存在し、ケガの修復や新しい細胞を生み出す役割を担っています。

例えば、擦り傷を負ったとき、自然に傷が治っていくのは、この成長因子が働いているおかげです。HARG療法では、この成長因子を抽出し、頭皮に注入することで毛母細胞を活性化し、発毛を促します。

HARG療法の主な成分

HARG療法で用いられるHARGカクテルには、発毛を促すための多くの成分が含まれています。

HARG療法で使用するHARGカクテルには、150種類以上の成長因子が含まれています。他の治療法と比べても、非常に多くの種類の成長因子が含まれていることが特徴です。

これほど多くの種類の成長因子が含まれているのは、髪の毛の成長には様々な種類の細胞が関わっており、それぞれの細胞に働きかけるためには多くの種類の成長因子が必要となるからです。

さらに、HARGカクテルには成長因子以外にも、髪の毛の成長に必要な栄養素であるビタミンB、H、C、E、アミノ酸、ミネラルなども豊富に含まれています。これらの成分が相乗効果を発揮することで、より効果的に発毛を促すと考えられています。

発毛促進以外にも！HARG療法の効果

HARG療法の効果について詳しく解説していきます。

HARG療法で効果が期待できる薄毛の種類や性別についても紹介するので、自分に当てはまるかチェックしておきましょう。

HARG療法の発毛効果

HARG療法は、髪の毛の成長に必要な栄養分を頭皮に直接届けることで、発毛を促す効果が期待できます。

毎日シャンプーをしていても、食生活に気をつかっていても頭皮に栄養が行き届いていなければ、健康な髪の毛は育ちません。

HARG療法は、いわば頭皮への「栄養補給」と言えるでしょう。HARGカクテルに含まれる豊富な成長因子が、弱ってしまった毛根に活力を与え、発毛を促します。

HARG療法は髪の質の改善も期待できる

HARG療法は、髪の毛の本数を増やすだけでなく、髪の毛の質を改善する効果も期待できます。

例えば、細い髪の毛やコシのない髪の毛で悩んでいる方も、HARG療法を受けることで髪の毛一本一本が太く、丈夫に育つ効果が期待できます。

これは、HARGカクテルに含まれる成長因子だけでなく、ビタミンやアミノ酸などの栄養素が髪の毛の成長をサポートしてくれるおかげです。

HARG療法は男性のAGAや女性の薄毛にも効果が期待できる

HARG療法は男性ホルモンの乱れや遺伝によって起きるAGAの治療効果も期待できます。AGAは進行性の病気ですが、HARG治療による発毛効果で進行を遅らせることが可能です。

AGAや薄毛の治療では、女性が受けられない治療方法もいくつかありますが、HARG療法は女性の薄毛治療もできます。

また、HARG療法はほかのAGA治療薬と併用することもでき、複数の治療法を組み合わせて薄毛治療をしたい方にもおすすめです。

メソセラピーや投薬治療とどう違う？HARG療法とほかの治療方法との違い

薄毛の治療方法は主に投薬治療と自毛植毛、注入治療の3種類にわけられ、さらに注入治療にはHARG治療とメソセラピーの2種類があります。

それぞれの治療法の違いだけでなく、メソセラピーとHARG療法の違いも解説するので、注入治療について詳しく知りたい方はぜひ参考にしてください。

HARG療法と投薬治療や自毛植毛との違い

HARG療法は薄毛治療で行われる注入治療の1つで、薄毛治療には投薬治療や自毛植毛といった種類もあります。

HARG療法は注射をして発毛効果や髪質改善を行う治療方法で、直接頭皮にアプローチできるため、投薬治療に比べるとより高い効果が期待できます。

しかし、費用は投薬治療よりもかなり高くなることがあるため、多くのクリニックでは最初は投薬治療から始め、効果が出ない場合や薄毛がかなり進行している場合にHARG療法を行います。

自毛植毛は薄毛になっていない部位の髪を薄毛の部位に移植する方法で、一度施術を受けると半永久的な効果が得られるのが大きなメリットです。

ただし、費用が100万円以上かかることもあり、ダウンタイムや傷跡が残るといったデメリットもあるので、投薬治療やHARG療法で効果が出なかった場合に勧められることが多いです。

このように、HARG療法の効果や料金は3種類の薄毛治療の中で真ん中に位置しているので、薄毛の進行度や予算に合わせて選ぶようにしましょう。

HARG療法とメソセラピーの違い

HARG療法と似た治療法に「メソセラピー」があります。どちらも頭皮に注射で薬剤を注入するという点では共通していますが、使用する薬剤が異なります。

HARG療法は、先ほど説明したHARGカクテルを使用する治療法です。一方、メソセラピーでは、クリニックによって使用する薬剤が異なり、決まったものはありません。そのため、クリニックによって効果や費用が大きく異なる可能性があります。

基本的にはHARG療法よりメソセラピーの方が費用が安い傾向にありますが、クリニックによってはHARG療法よりメソセラピーの料金が高く設定されていることもあります。

メソセラピーかHARG療法で迷ったときはメソセラピーの成分内容と費用を調べ、どちらの治療を受けるべきか医師と相談して決めるようにしましょう。

HARG療法の効果を感じるまでの期間は？やめたらどうなる？

HARG療法は3～6ヶ月で効果を感じることが多い治療方法です。

HARG療法で効果を感じるまでの期間ややめたらどうなるか解説するので、HARG療法を行った場合の具体的なイメージができない方はぜひ参考にしてください。

HARG療法の効果を実感するまでの期間

HARG療法の効果には個人差があります。一般的には、3ヶ月～半年ほどで効果を実感できる方が多いです。

これは、髪の毛のヘアサイクルと関係があります。髪の毛は成長期、退行期、休止期というサイクルを繰り返しています。HARG療法の効果が表れるのは、休止期にある髪の毛が成長期に入るまである程度の期間が必要となるためです。

効果を実感するまでの期間は、年齢、体質、薄毛の進行度合いなどによって異なってきます。

例えば、20代でAGAが進行し始めたばかりの方であれば、比較的早く効果を実感できる可能性が高いでですが、50代で長年薄毛に悩んでいる方の場合は、効果を実感するまでに時間がかかる場合もあります。

HARG療法の効果はいつまで続く？やめたらどうなる？

HARG療法は治療終了後も数ヶ月～1年は効果が持続することが多いですが、いずれ効果がなくなってしまいます。

また、進行性のAGAや老化の場合は、HARG療法をやめると時間とともに薄毛や抜け毛が増えていく可能性があります。

そのため、発毛効果を維持したい方や薄毛を防ぎたい方は年に1～2回程度メンテナンスとして施術を受けるのがおすすめです。

毎年頭皮に注射を打つことに抵抗がある方は投薬治療に切り替えることもできるので、医師と相談しながらライフスタイルや目的に合わせた治療を選ぶようにしましょう。

HARG療法の料金相場や保険適用の有無

HARG療法は、自由診療のため保険適用外になります。効果が高くても、治療費は全額自己負担となるため、治療を受けるかどうかは費用面も考慮して慎重に判断する必要があります。

HARG療法の施術費用

HARG療法の施術費用は、クリニックによって異なり、使用する薬剤の量や治療範囲、治療回数によっても変動します。

一般的には、1回の施術費用は8万円から15万円が相場とされています。これは、高度な技術と特殊な薬剤を必要とするためです。
治療は、毛髪サイクルに合わせて、複数回行う必要があります。そのため、合計費用としては数十万円になることが多いです。

HARG療法の保険適用の有無

残念ながら、現在HARG療法は保険適用外の治療となります。
また、AGA（男性型脱毛症）治療で一般的に使用されるフィナステリドやミノキシジルなどの薬剤も、薄毛治療目的では保険適用外であり、ほとんどのAGA治療は自由診療となります。

薄毛治療を検討する際は、各治療法のメリット・デメリット、費用、期待される効果などを比較検討し、ご自身の症状や希望、経済的な状況に合った治療法を選択することが重要です。

HARG療法のメリットとデメリット

HARG療法は、最新の薄毛治療として多くの期待が寄せられていますが、万能な治療法ではありません。他の治療法と同様に、メリットとデメリットが存在します。

ここでは、HARG療法のメリットとデメリットについて解説します。

HARG療法のメリット

HARG療法のメリットには以下のようなものがあります。

副作用やダウンタイムも！HARG療法のデメリット

HARG療法は、多くのメリットがある一方でデメリットも存在します。

HARG療法はこんな人におすすめ！

AGAなどの薄毛治療では最初に投薬治療を行うことが多いですが、薄毛が進行していて投薬治療の効果が出ない方や長年続けていて投薬治療の効果を感じにくくなっている方は、HARG療法を検討するのがおすすめです。

HARG療法は投薬治療よりも費用が高いですが、頭皮に直接成分を注入するので効果を感じやすく、薄毛が進行した方でも効果が期待できます。

また、頭皮や髪に必要な成分を与えるHARG療法は、髪質改善をしたい方にもおすすめです。

さらに、HARG療法は性別問わず薄毛治療ができるのも大きな特徴です。投薬治療は女性が使えない薬も多いですが、HARG療法なら女性でも薄毛改善ができます。

HARG療法を受けるときの基本的な流れもチェック

HARG療法施術後のケアと注意点

HARG療法は、頭皮に直接有効成分を注入する治療法なので、施術後にはいくつか注意すべき点があります。効果を最大限に引き出し、トラブルを防ぐためにも正しいケアと注意点をしっかり押さえておきましょう。

HARG療法の施術後の経過観察と注意事項

HARG療法を受けた後は、時間をかけて毛根が活性化していくのをサポートする必要があります。

施術直後は注射による刺激で赤みやかゆみ、少し腫れているような感覚があるかもしれません。これは、一時的な反応で、多くの場合数日以内に落ち着いてきます。
しかし、症状が強く熱を持ってズキズキしたり、痛みが引かなかったりする場合は自己判断せず、すぐにクリニックへ相談しましょう。

施術当日は、頭皮を休ませるために洗髪は避けましょう。
洗髪は翌日から可能ですが、ゴシゴシと強くこするのは禁物です。頭皮を赤ちゃんに触れるようにやさしく洗い、清潔に保つようにしてください。熱いお湯や刺激の強いシャンプーは避け、ぬるま湯でやさしく洗いましょう。

飲酒や喫煙は、血管を広げ、血行を促進するため炎症の悪化する可能性があります。施術後1週間は控え、頭皮が落ち着くまでの間、我慢しましょう。

激しい運動もまた、血行を促進し、頭皮への負担となる可能性があります。施術後1週間は、激しい運動は控え、軽いストレッチやウォーキングなどを行いましょう。

育毛剤は、クリニックから処方された薬や指示されたもの以外自己判断で使用しないでください。他の薬剤との組み合わせによっては、思わぬ反応が出てしまう可能性もありますので、必ず医師の指示に従いましょう。

施術部位を触ったり、掻いたりすることは、傷口を広げてしまう可能性があり、感染のリスクを高めることにもつながります。サウナやプール、海水浴なども施術後1週間は控えましょう。

HARG療法後の日常生活での制限

HARG療法後、日常生活で制限されることはほとんどありません。

施術当日から仕事や家事は可能です。ただし、仕事内容によっては、医師に相談した方が良い場合があります。例えば、長時間の立ち仕事や重労働など、体に負担がかかる場合は、無理せず休むことを検討しましょう。

食事については、特に制限はありません。バランスの取れた食事を心がけ、頭皮や髪の毛の成長に必要な栄養を摂取しましょう。

十分な睡眠は、体の回復力を高め、健康な頭皮環境を保つために重要です。規則正しい生活を心がけ、質の高い睡眠を十分にとりましょう。